自分のスキルのレベルを見極める方法
クラフトなどはコンクールやコンテスト以外では、人と比べるものではないので、自分のスキルを評価する事は少ないとは思います。
でも、一体自分の技術がどの程度のものなのか気になるところですよね!
資格があるといっても、、、
同じ資格を持っていても技術に様々な差があるのが現状です。
そんな時に役に立つのが、「守・破・離」です🎗️
御存知の通り何かを身につける為に必要な順番ですね。
さて、これが何故自分のスキルレベルを見極めれるのでしょうか?🤔
これは、自分の状態において出来る事が異なってくるからです。
☝️まず守の状態の時。
この時に、大切な事はオリジナルや創造性ではありません。
徹底的に真似る、模倣する、完全にコピーする。先生、師の言われた事、教わった事を愚直にくり返す事です。
ですから、この状態の時はまだレッスンをしたり、教えてたり出来る状態ではありません。
完全なインプットの状態だからです。
そして、最も大切な基礎固めの時期でもあります。
たまに、この状態の時に、分かった気になってしまいレッスンなどに用いてしまうと自分の成長を阻害してしまう事になります。
作品や技術の本質を見抜く事なく中途半端に取得したと錯覚してしまうからです。
これは、戦術を理解しただけであって、戦略を掴んでいない事と同じ事になってしまいます。
手が器用であれば、コピーするだけなら誰でも出来てしまいます。
それは、何故この表現をしたのか?何を伝えたかったのか?世界観の源は?
などの戦略にあたる本質の部分がスッポリ抜けている場合が多いのです。
残念な事に、この状態で作り続けてしまうと最初は良いですが、周りの人や誰かから評価をもらわないと満足できなくなってしまいます。
自分で本質の価値を捉えきれていないので、モノマネのままになってしまうからです。
ですから、作る事の楽しさをずっと持ち続けて頂きたいので、「守」の状態の時は、確実に自分の物に出来るまで数稽古を奨励しています。
作品のポイントを掴んでいない、作って見て何が違うのか分からない、どうすれば良くなるのか分からない、思ったように表現できない、
こんな感覚の時は、まだ「守」の状態です。とにかく先生の言われた事を愚直に守る事が大切です。
☝️次に「破」
この状態は、守の時に得たスキルを自分に合うようにコントロールしていきます。微調整です。
これまでが愚直に守る一辺倒だったところから、少し自分の色を足していきます。
この場合に、自分流にアレンジが出来なかったり、変化を与える事ができなかったり、同じ物しか作れなかったり、そんな場合には「破」の状態を保つ必要があります。
これは、車の免許で言うと本免をとって路上で運転している状態です。
自分のルートや自分のタイミングで運転をして、助手席に教官が乗っているわけでもありません。
しかし、まだ誰かに運転を教える事が出来る状態でない事は分かりますね。
この時期は、基本に忠実に自分のスタイルを様々方向から確立していく時なのです。
もし、この時期にレッスンや教室などを行ってしまうと、経験値が少なすぎるため自分だけでなく生徒さんの伸びしろまで奪ってしまう事になりかねません。
車の運転で考えれば分かりやすいですね。
免許を取りたての人が教えられるわけもないですし、教えられる側も心配になります。
さらに、そのまま運転年数を重ねた人は、教える事も違うのです。
運転を教えるには、教官という立ち位置が必要なのです。
それが、次のステップです。
☝️最後に「離」
ここまでくると、今までと全く視点が異なります。
今までは、先生や師を目標として進んできました。これからは、先生から離れ、あらゆる面で超えていく事が目的となります。
先生は、自分を超える存在を育てる事がメインとなっていきます。
つまり、自分よりもより良い生徒さんを作る事ができなければ、先生としての価値は低く師としての存在はないのです。
この、「離」の状態になって初めて、教えたり、先生として活躍していく事で後継が育ち、関係性が構築されて業界が発展し成長していくのです。
こういった適切な順序を得ず、基礎を固めず、自分流を追求してしまう事を「型なし」といいます。
よく天才と名のつく芸術家タイプの方には、型破りとか言われますが、これは型なしとは全く違うものです。
多くの場合、明確な先生や師匠をもち、学び、身につけ、基礎から自分流、自己流へと昇華していきます。
型なしの場合、この基礎がありません。
これが多く存在してしまうと、一時は良いですが、後継が育たず業界が盛り上がっていきません。適切にスキルや技術、仕組みやノウハウが継承されないからです。
私はシュガークラフトが大好きで、ずっとこの業界を盛り上げたいと思ってきました。
何度も離れようとも思いました。
ただ、今は、この「離」までのプロセスを組み上げ、今までたくさんの楽しみを与えてくれたシュガークラフト、シュガーのお人形へ恩返しをしていきたいと思っています。
そして、私以上に活躍してくれる生徒さんを育てていく事が、本当の意味での業界への貢献だと、私は考えています✨